衆院委
核物質防護の不備で原子力規制委員会が事実上の運転停止命令を出す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)をめぐり、日本共産党の藤野保史議員は8日の衆院原子力問題調査特別委員会で、経済産業省幹部らが同原発の再稼働への「地ならし」をしていた背景に、政府・東電の「再建計画」があると追及しました。
藤野氏は昨年11月27日に新潟県を訪れた保坂伸・同省資源エネルギー庁長官ら幹部3人が自民党県議との飲食・意見交換に参加したことを取り上げました。「地元の民意に配慮して柏崎刈羽の再稼働を6、7号機に限るよう求めた幹部に、保坂氏が『(他号機が立地する)柏崎市が納得しない』と、さらなる推進姿勢を示す場面もあった」(「信濃毎日」3月25日)と報じられているとして、そう発言したのかとただすと、保坂氏は「話が出たとは記憶してない」と繰り返しました。
藤野氏は、東電の収益力を回復させて賠償や廃炉などの費用をねん出するという政府・東電の「再建計画」が深くかかわっていると指摘。「『再建計画』からすれば、(東電が申請した)6、7号機の再稼働にとどまらず、1~5号機も再稼働も含めて動かす必要があるから、エネ庁長官がこう働きかける方が自然ではないか」と追及したのに対し、江島潔経産副大臣は「そういうことではない」と答弁。
藤野氏は「政府は原発に固執する姿勢を改めるべきだ」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2021年4月9日より転載)