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火山灰厚2倍超 福井3原発適合・・規制委審査書案

 原子力規制委員会は17日、関西電力の福井県にある3原発で想定される火山灰の厚さに関して、これまでの想定の2倍以上となる新たな評価と対策について新規制基準に適合しているとする審査書案を了承しました。新たな想定では火山灰の厚さは、高浜原発で27センチ、大飯(おおい)原発で25センチ、美浜原発で22センチ。規制委は30日間の意見募集を行います。

 関電は、火山灰の荷重に対して建屋やタンクなどの強度は問題がないと評価。降灰時の大気中の火山灰濃度の想定が高くなるため、非常用ディーゼル発電機の吸気フィルターの交換までの時間を短縮するなどして対策をするとしています。

 関電の3原発は2017年までに、新規制基準に適合していると規制委は判断していますが、想定される火山灰の厚さはいずれも10センチでした。規制委はその後、鳥取県の大山(だいせん)での過去の噴火について、大山から190キロ離れた京都市内で約25センチの火山灰層があると認定しました。一方、大山から3原発までは約180~220キロです。

 関電は当初、再評価の必要はないと主張。しかし、規制委が2019年6月、3原発が新規制基準に「不適合」として、火山灰の厚さに関連した審査のやり直しを命令。関電が同年9月に新たな評価を申請し、審査が続けられてきました。

(「しんぶん赤旗」2021年3月18日より転載)