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「東電に資格・能力ない」・・柏崎刈羽原発 地元の声

 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発における核物質防護設備の機能の一部喪失事案について、原子力規制委員会が重要度・深刻度とも最も深刻な状態であると暫定評価したことを受け、地元からは、東電に「原発を動かす適格性」があるのか厳しい声が相次いでいます。

 原発の安全性を検証する県技術委員の立石雅昭・新潟大学名誉教授は、「今回の問題は県民に新たに大きな衝撃を与えた」と述べ、「1月以降に判明したID不正使用や安全対策工事未完了など数々の不祥事に対し、以前のデータねつ造、隠蔽(いんぺい)と相まって、『東電には原発に携わる資格も能力も無い』と指摘してきた。この指摘の正しさが明らかになった。原子力規制委員会は柏崎刈羽原発が新規制基準に適合すると判断したが、原発を運転する資格や能力の判定対象に、核防護上の設備や取り扱いの状況が入っていない仕組み自体も問われている。新潟県は県民の安全安心を守るために、県技術委員会の開催と柏崎刈羽原発への立ち入り調査をするべきです」と話しました。

 原発をなくす新潟県連絡会の小市信事務局長は、「社員を管理する能力を疑う事態だ」と批判。日本共産党の持田繁義柏崎市議は、「東電が企業体質を改善する力を持っていない深刻な事態。規制当局は機能していないのではないか。新潟県は技術委員会の縮小方針を改め、立石委員らの再任と拡充で実効性ある検証の実施をするべきです」と指摘しました。

 (新潟県・伊藤誠)

(「しんぶん赤旗」2021年3月18日より転載)