日本共産党の井上哲士議員は17日の参院予算委員会で、東京電力柏崎刈羽原発でテロ目的などの不正な侵入を防ぐ装置が昨年3月以降、故障し続けていた問題を取り上げ、東電に対し「原発を運転する資格そのものが問われている」と厳しく批判しました。
井上氏は、住民から大きな怒りと不安の声が上がっているとして、東電の小早川智明社長に「今回の問題はなぜ発生したと考えているのか」と追及。小早川社長は、故障した装置の代替措置をとっており、「十分だとしていたこと自体が大きな問題だった」と述べつつ、現場任せにしないと答弁しました。井上氏は「現場任せが問題だったのか」と批判し、原子力規制委員会が組織的問題を指摘していると述べました。
井上氏は、規制委が同原発の再稼働に向けた審査で、昨年9月に東電に原発を動かす「適格性」を認め、保安規定の基本姿勢を了承したことに言及。「その前にID不正や今回の問題が起きていた。適格性を認めた判断の前提が崩れているのではないか」とただしました。
規制委の更田豊志委員長は「核セキュリティー文化がずたずたにもかかわらず、安全文化がしっかりしているというのは考えにくい」と述べ、保安規定違反の有無についても今後確認していく必要があると答弁。井上氏は「しっかり再検証してもらいたい」と迫りました。
梶山弘志経済産業相が「このままでは再稼働できる段階にない」と述べたのに対し、井上氏は「原発を運転する会社としての資格そのものが問われている」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月18日より転載)