東京電力福島第1原発事故をめぐって東電の旧経営陣3人が強制起訴された刑事訴訟の控訴審に関連して、同訴訟の支援団、告訴団、弁護団は8日、東京高裁に現場検証などを求める要請書を提出しました。
要請書は、「この歴史的大事件について正確な判断を下すためには、原発事故の実態とその甚大な被害を正確かつ具体的に把握することが必要不可欠」だと指摘。福島第1原発や、事故による避難で入院患者が犠牲になった双葉病院などを現場検証などの手段で検分することを求めています。
同日、会見した支援団副団長の武藤類子さんは「東京高裁には正確な判断、正しい判断をしてほしい。そのためには現場を見ていただくことがとても重要だ」と訴えました。
東京地裁は2019年9月に旧経営陣3人を全員無罪とする判決を出し、指定弁護人は同月、控訴しています。地裁の裁判官は、原発の現場検証を実施しませんでした。
(「しんぶん赤旗」2021年3月9日より転載)