日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 東日本大震災10年 「ささき牧場」物語(3) 地元の素材 味わって

東日本大震災10年 「ささき牧場」物語(3) 地元の素材 味わって

 「ささき牧場」の牛乳を使ったソフトクリームが出来上がりました(写真)。週末になると、牧場の駐車場は福島県内外の車であふれます。

 原発事故から立ち直り始めた2016年5月、牧場主・佐々木光洋さんの姉・國府田(こうだ)純さん(53)が、敷地内に「ささき牧場カフェ」をオープンさせました。開店2カ月前に小学校教員を辞めての挑戦。「ちゅうちょはありませんでした」と笑います。

 「もともと、この場所でしか味わえない素晴らしい素材がありましたから。もっと多くの人に『ささき牛乳』の良さを知ってもらいたかったんです」

 メニューは牛乳ソフトのほかに、地元産のワサビや野菜を使ったソフトも。ネットや口込みで「濃厚なのにさっぱりした味」と評判を呼んでいます。家族連れやカップルだけでなく、「地域のお年寄りたちが気軽に来てくれる」ことを光洋さんは喜びます。

 純さんも言います。「私の父(健三さん)には、地域に人の集まる場所をつくりたいという夢がありました。その夢を実現するのが私の役割です」。毎月仲間とイベントを開き、味にこだわる他店と連携する…。カフェはさらに進化します。(写真・記事 佐藤研二)

(「しんぶん赤旗」2021年1月11日より転載)