関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置変更許可を取り消した大阪地裁判決を受けて、原子力規制委員会は9日の定例会で、原発の地震動評価の審査に用いるガイドについて、見解をまとめるよう原子力規制庁に指示しました。また、更田豊志委員長は「規制委としての判断には自信を持っている」と述べました。
大阪地裁は12月4日、大飯原発で想定される最大の地震の揺れ(基準地震動)を設定する過程で、過去に発生した地震の規模と断層面積との関係を表した式(経験式)を用いて地震の規模を求める際、ばらつきを考慮し経験式に上乗せする必要性を検討しなかったとして、「看過し難い過誤、欠落がある」と断じました。
実際に発生する地震の規模は、断層面積から経験式を用いて求めた規模を上回る可能性があり、規制委の定めたガイドにも「経験式が有するばらつきも考慮されている必要がある」と書かれていることが判断の根拠の一つになっていました。
規制委で基準地震動などの審査を担当している石渡明委員は「ガイドが誤解を招くような文書になっている」と発言。更田氏は「石渡委員の言ったことを含めて、見解をまとめられるようなら事務局(規制庁)に見解をまとめてもらう」と指示しました。
(「しんぶん赤旗」2020年12月10日より転載)