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大飯3号定期 地元に不安・・原発点検 3600人3密

関西電力大飯原発3、4号機(右から)=福井県おおい町(2013年7月27日撮影)

福井県外から900人増

 関西電力大飯(福井県おおい町)3号機が5月8日から定期点検に入ります。新型コロナウイルス感染症対策のため全国で外出の自粛が呼びかけられている中、多くの作業員の出入りが予定されており、地元では不安が高まっています。

 関電によれば、3号機の定期検査で作業者は約1800人増加します。このうち県外からは900人程度。大飯原発では1、2号機の廃炉作業や対策工事が行われており、1日に約1800人が入構しています。合わせて約3600人が出入りするようになる見込みです。これまでのところ、7月中頃までに発電を再開する予定としています。

 24日に開かれたおおい町議会の全員協議会で関電は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を説明しました。作業員は入構の2週間前から体温や体調などを記録する健康チェックを実施するほか、マスク着用の徹底、こまめな手洗い、バス待ちの際の間隔を空けるなどの項目が並びます。

 日本共産党の猿橋巧おおい町議は「原発の建屋内は密閉だし、多くの人間が作業をすれば密集、密接は避けられません。狭い敷地で廃炉や対策工事も同時に行われています。原発の立地する嶺南地区は新型コロナの患者に対応できる病床は非常に限られており、クラスター(感染者集団)が発生すればすぐにパンクする恐れがあります。町民から『関電はどうなっている』といった不安の声が寄せられています」と指摘します。

 関電は、福井県内に大飯のほか高浜、美浜の両原発で、それぞれ対策工事などに、1日あたり約4500人と約3000人が作業しています。

 福井県は新型コロナウイルス感染症をめぐって14日、県独自の緊急事態宣言を出し、県民に他県との往来の自粛などを要請。また、他県からの来県自粛、来県した場合は2週間の自宅待機などを求めていました。28日までに122人の感染者が判明。同日に、5月6日までとしていた県内の小中学校などへの休校要請を当面の間延長することにしました。

 日本共産党の佐藤正雄福井県議は、23日の福井県議会全員協議会で、この問題を質問。杉本達治知事は関電に対して労働者の検温などの徹底を求めると回答しています。

 佐藤県議は、「国や県が移動自粛を強く要請している時に、新型コロナウイルス対策よりも、再稼働優先、自らの利益優先の関電の姿勢が問題です。経済産業省などが指導して検査は延期すべきです」と話しています。

(「しんぶん赤旗」2020年4月29日より転載)