【ベルリン=伊藤寿庸】東京電力福島第1原発事故から9年を前に、ベルリンのブランデンブルク門前で3月7日、反原発を訴える集会が開かれました。参加者は自然エネルギーを象徴する手作りのかざぐるまを手にデモ行進しました。
ベルリン在住の日本人でつくる「サヨナラ・ニュークス・ベルリン」や、ドイツの反核団体や自然保護団体などが呼びかけたものです。集会では、核戦争防止国際医師会議ドイツ支部、グリーンピースの代表などが発言。今も多くの放射性物質が放出され続けているなかで、日本政府は避難している住民の帰還を進め、「事故の収束」を世界に宣伝するためにオリンピックを利用しようとしているなどと批判しました。世界の原子力施設の閉鎖、核兵器禁止条約への署名なども訴えました。
デモに参加した左翼党のカロリン・ベーラートさん(35)とマーカス・オットーさん(50)は、「原子力は環境にやさしいと宣伝されているが、高コスト、危険で、核兵器製造ともつながっている」と批判しました。ベルリン在住の日本人ミュージシャンememeさんは、「ドイツの人からも『福島はどうなっている』と聞かれなくなった。人々の関心が薄れているようで危機感を持っている」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2020年3月9日より転載)