津波警報が発表されずに津波が敷地に到達する可能性があるとされる関西電力高浜原発(福井県高浜町)について関電はこのほど、潮位計で通常と異なる潮位変動を観測した場合に防潮ゲートを閉める対策を取ると、原子力規制委員会に報告しました。今後、公開の審査会合で説明されます。
高浜原発のこれまでの津波対策は、津波警報が発表された後に、通常開いている取水路の途中に設置してあるゲートを閉鎖し、津波の敷地への溯上(そじょう)を防止するとしていました。高浜原発の敷地高さは3・5メートルで、ゲートの高さは8・5メートル。敷地に最も影響を与えるとされている、若狭海丘列付近断層と隠岐トラフ海底地すべりの組み合わせによる津波高さは、ゲート地点で5・5メートルと評価されています。
一方、隠岐トラフ海底地すべり単独の場合、地震発生などを元にした津波警報が発表されず、ゲートが開放された状態で津波が到達する可能性があるとされています。
規制委は今年1月の定例会合で、ゲートが開放された状態の津波高さや重要設備への影響評価を関電に求めることを決めていました。
(「しんぶん赤旗」2019年6月3日より転載)