2万2千人以上の死者・不明者が出た東日本大震災と、東京電力福島第1原発事故から8年となった3月11日、被災地の沿岸部では雨の降りしきるなか、朝から夕方まで遺族らが犠牲者を追悼しました。全国でもさまざまな追悼の行動が取り組まれました。
「元気でいるよ」
1700人以上が犠牲になった岩手県陸前高田市―。米崎町神田仮設団地に住民、元住人が集まり、暴風雨のなか傘を差し、地震が襲った午後2時46分に海に向かって黙とうしました。
参加した女性は、犠牲になった友人に「私は元気にしているよ」と心の中で話したといいます。
同団地は当初、89世帯が住んでいましたが今は18世帯。住民の多くが復興住宅や高台にできた住宅地に移転しました。毎月11日に団地内の集会所に集まり、近況を話し合ったりしています。
苦労のつきない避難生活ですが、今野ミエ子さん(71)が「仮設住宅で普通では経験できない楽しい思い出もできた。たくさんの友達もできたね」というと、周りの人も相づちを打ちました。
市全体では2月末で223世帯551人が仮設住宅で暮らしています。同市建設課によると再来年度中には仮設からの移住をめざし、復興工事を進めています。
(宮下秀和、写真も)
(「しんぶん赤旗」2019年3月12日より転載)