東京電力福島第1原発事故を引き起こしたとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の裁判について、厳正な判決を求める全国集会が3月10日、東京都内で開かれました。福島原発刑事訴訟支援団が主催し、約200人が参加しました。
2017年6月の初公判から1年9カ月に及んだ裁判は、12日に行われる被告人弁護側の最終弁論で、結審を迎える予定です。
支援団の佐藤和良団長は「3・11近くになると心穏やかでない。それがずっと続いています。事故による被害の甚大さがますます深くなっています。いよいよ結審です。事故で誰一人として裁かれないことはあってはならない」と述べました。
支援団の弁護士は、原発に近い病院の患者らが長時間の避難を余儀なくされ亡くなった状況や、東電が津波の計算や対策を先送りにしてきたことが数々の証拠や証言で明らかになったことなどを報告しました。福島県から避難した住民らが「裁判に勝ちたい。私たちに非はなかった」と、それぞれの思いを語りました。
裁判では検察官役の指定弁護士が昨年12月、勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長に禁錮5年を求刑しています。3人は無罪を主張しています。
(「しんぶん赤旗」2019年3月11日より転載)