日本原子力研究開発機構の核燃料サイクル工学研究所(茨城県東海村)で1月30日に放射性物質が漏えいした問題で、事故が発生した施設が、核燃料廃棄物の保管状況が適切ではないとして国の原子力規制委員会から是正措置を求められていた施設であったことが31日、日本共産党県議団による県への聞き取りで明らかになりました。
この事故は、同研究所内のプルトニウム燃料第二開発室にある粉末調整室(放射線管理区域)で発生。グローブボックスから核燃料物質の貯蔵容器を取り出す作業を行っていた際、室内の放射性物質を検知する警報器が作動し、室内にいた作業員9人が室外に避難しました。
同機構では一昨年6月にも、大洗研究開発センター(茨城県大洗町)の燃料研究棟内でプルトニウムなどが飛散し、作業員5人が被ばくする事故が発生。同研究棟も、規制委から保管状況の是正措置を求められていた施設で、同機構の核燃料廃棄物の管理をめぐってずさんさが再び露呈した形です。
事故原因について県の担当者は、同機構からの中間報告を待っている段階で「現在調査中だ」と説明。事故に伴う作業員9人の内部被ばくはないとし、「(大洗の)事故がどう生かされて対応がなされたのか、厳しく追及していかないといけない」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2019年2月1日より転載)