東京電力福島第1原発の事故で避難を強いられている福島県浪江町津島地区の住民が、国や東電を相手取り原状回復と損害の完全賠償などを求めた「ふるさとを返せ!津島原発訴訟」(今野秀則原告団長)の口頭弁論が1月18日、福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で開かれました。
元米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)技術者の佐藤暁氏への専門家証人尋問と、原告に対する本人尋問が行われました。
今野団長は「原発と人間社会は共存できない」と強調。「何としても故郷を取り戻したい思いで裁判闘争にいどんでいる。ふるさとの懐かしい香りを胸いっぱい満たすためあきらめずにたたかいつづける」とのべました。
佐藤暁氏は「福島第1原子力発電所に対する津波対策は予防できたし、福島原発事故そのものも回避可能だった」と断言しました。
「長年原子力に携わってきた者の一人として言っておきたい。人知はあった。警告もあった。情報もあった。技術と能力もあった。資金もあった。結局、それらを有効に働かせなかったことこそ福島原発事故の原因だった」と、国と東電の無策を断罪しました。
(「しんぶん赤旗」2019年1月19日より転載)