国際環境団体FoEジャパンは1月8日、日立製作所が英国で進めるウィルファ原発建設計画の中止を求める署名を安倍首相と日立に提出し、同本社前で抗議行動を行いました。
日立は英ウェールズ・アングルシー島で原発2基の建設を計画し、2020年代中期に商業運転を目指していました。しかし3兆円にも膨らんだ原発事業に、日立の中西宏明会長は「もう限界だと英国政府に伝えている」と明かしました。出資企業の確保が難航し、巨額の損失が出た場合に単独では補えないためで、日英両政府にさらなる支援を求める意向を示しています。
建設に反対するウェールズの住民団体「ピープル・アゲンスト・ウィルファB原発」(PAWB)のロブ・イドリスさんはインターネットを通じて参加。「原発計画は英国と日本の支援なしに継続不可能であることは明らか。公的資金を使ってこのまま進めていくのは許されない。そのツケを支払わされるのは将来世代だ」と訴えました。
FoEジャパンの深草亜悠美さんは「アングルシー島は人口7万人のほどの小さく美しい島で観光や農業が重要な産業を占めている。福島原発の事故を目の当たりにしている者として新たな原発の輸出は許してはいけない。今すぐ撤退するようかじをきってもらいたい」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2019年1月9日より転載)