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自主避難初の賠償確定・・原発事故後うつ病、東電に命令/最高裁

 東京電力福島第1原発事故で自主避難後、うつ病を発症したとして、元会社経営者の40代の男性と家族が東電に約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)は12月17日までに、男性側、東電側双方の上告を退ける決定をしました。決定は13日付。休業による損害や慰謝料など計約1600万円の賠償を東電に命じた二審判決が確定しました。

 東電によると、自主避難で賠償が認められた判決が最高裁で確定するのは初めて。

 一、二審判決によると、男性は2011年3月の事故直後、妊娠中の妻と子ども2人を連れ、福島県郡山市から京都市などに自主避難。同9月にうつ病と診断されました。

 一審京都地裁は16年2月、事故がうつ病発症の原因と認定。男性と妻に対し、休業に伴う損害約2100万円や慰謝料170万円など計約3000万円を支払うよう東電に命じました。17年10月の二審大阪高裁判決も事故とうつ病の因果関係を認めましたが、休業損害を約1100万円に、慰謝料も69万円に減額しました。

 東電側は、賠償基準を定めた国の中間指針を上回る慰謝料を認めた点を不服として上告しましたが、小法廷は「上告理由には当たらない」と退けました。

(「しんぶん赤旗」2018年12月18日より転載)