原発ゼロ社会の構築に向けた政策提言を行う市民団体「原子力市民委員会」は11月26日、国会で審議中の原子力損害賠償法改定の政府案について、「原子力事業者の責任を明確にし、被災者に対して適切な賠償を行うための抜本的見直しを求める」声明を発表しました。
声明は、政府案が原賠制度の抜本的変更をせずに現状維持に近い内容だとして、「福島原発事故の経験を踏まえていない」と批判。事業者に備えを義務づける「賠償措置額」を1200億円に据え置くのは「全く不十分」で、原発事故による損害は加害者が全額負担する枠組みを新たに構築する必要があると指摘しています。
また、原子力紛争解決センター(ADR)の和解案を再三拒否するなど東京電力が不誠実な態度を取り続けているなか、国に対し発災事業者を厳しく指導することを義務づけるべきだとしています。
(「しんぶん赤旗」2018年11月28日より転載)