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マレーシア首相「原発反対」 福島の事故言及・・「廃棄物処理できぬ 計画せず」

 【ハノイ=井上歩】マレーシアのマハティール首相は9月18日、クアラルンプールで開かれた「電力供給産業会議(CEPSI)」で、「私は原子力発電に反対だ」と発言し、同国政府は原子力発電を計画しないと言明しました。国営ベルナマ通信が伝えました。

 マハティール氏は「科学はまだ使用済み燃料を処理できるようになっていない」と指摘し、放射性廃棄物を確実に処分できないのが原発に向かわない最大の理由だと強調しました。

 マハティール氏は1980年代に日系企業のレアアース抽出事業で発生した放射性廃棄物による汚染事件に言及。廃棄物の処分に苦慮し、開発可能な土地を失う「非常に苦い経験」をして、「放射性廃棄物の処分が容易ではないことを学んだ」と述べました。

 マハティール氏は、1986年の旧ソ連ウクライナのチェルノブイリ原発事故、2011年の福島第1原発事故にも触れ、原発のリスクを示す実例だと指摘。「平和利用でも戦争使用でも、われわれ(人類)には核物質を利用するに十分な知見がないと考えている」と訴えました。

 マレーシアではナジブ前首相の就任直後に、20年以降の電力エネルギーとして原子力を選択肢に加え、21年の運転開始を計画しました。マハティール氏は「(核エネルギーを容認した)昔には戻らない」とも表明しました。

(しんぶん「赤旗」2018年9月21日より転載)