米西部カリフォルニア州でこのほど、2045年までに州内で使用される電力を100%再生可能エネルギーでまかなうことを目指す法律が成立しました。米国で同趣旨の法律ができるのはハワイに次いで2州目。トランプ政権は地球温暖化対策に背をむけていますが、米メディアは今回の法律について「トランプ氏にまたもや打撃」と伝えています。
(島田峰隆)
州の上下両院での法案可決を受けてブラウン知事が10日に署名しました。同法は、温暖化対策の新たな国際条約「パリ協定」を踏まえて、化石燃料に頼らない脱炭素社会を目指す内容です。45年の達成をにらんで、30年には全ての電力会社が発電量の60%を再生可能エネルギーから得なければならないとしています。
カリフォルニア州は米国最大の州。トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明した直後には、ニューヨーク、ワシントンの各州とともに「米気候連合」を結成。温室効果ガスの排出削減へ批准国・地域との相互連携や自主協定締結を進めるなど対策をけん引してきました。
ブラウン知事は10日の会見で「この法律は、カリフォルニア州がパリ協定を実践し、脱炭素社会へ経済移行の道を歩み続けるという世界へのメッセージだ」と強調。「トランプ大統領は気候変動対策の無法者になっている。気候変動は現存する脅威だ」とトランプ政権を批判しました。
カリフォルニア州では環境団体、労働組合、宗教団体などが連合をつくり、同法の成立を求めて議員に手紙を送ったり、電話をかけたりしてきました。環境団体「地球の正義」は10日、「ハワイに次ぐカリフォルニアでの思い切った動きは、米国の州が化石燃料から抜け出し、温室効果ガスを排出しない未来へと進んでいることを示している」と評価しました。
(「しんぶん赤旗」2018年9月13日より転載)