関西電力の大飯原発(福井県おおい町)と高浜原発(同高浜町)の同時事故を想定した原子力防災訓練が25日実施されました。26日までの日程で、国や福井、京都、滋賀3府県など約190機関と、約1万7300人の住民らが参加します。
大飯原発から30キロ圏(UPZ)には約16万人、高浜原発では同様に約17万人が住んでいます。両原発間の距離は約13キロ。福島原発事故国会事故調査委員会の報告書は「(福島第1原発事故が)約12キロ離れた福島第2原発の復旧活動にも影響を与えた」と指摘しており、日本共産党の藤野保史衆院議員は、このリスクが規制基準で考慮されていないと国会で提起しています。
今回の事故想定は、京都府北部を震源とした地震で大飯3号機が外部電源を失い、非常用炉心冷却装置も使えず全面緊急事態となり、高浜4号機は地震の影響が認められないものの送電線事故から同様の事態に至るもの。
初日は、国と現地が初動体制を確立し、連携して情報共有、意思決定、指示・調整を一元的に行う訓練を行い、事態の進展に応じて現地本部を統合しました。また、放射性物質が敷地外に漏れる前として原発から5キロ圏(PAZ)の要支援者らをヘリや福祉車両などで搬送する広域避難訓練が行われました。気象は晴れで北寄りの風、風速3メートルほどと想定しながら、高浜町の要支援者は大飯原発の風下を横切って敦賀市に搬送される訓練となりました。
2日目は、PAZ住民の広域避難訓練、5~30キロ圏のUPZ住民の屋内退避訓練と一部広域避難訓練が行われます。
(「しんぶん赤旗」2018年8月26日より転載)