東京電力福島第１原発事故に伴い、世帯単位で指定された旧「特定避難勧奨地点」の対象とされなかった福島県伊達市の上小国、下小国、石田、月舘４地区の住民３３０世帯、１００９人が、国の原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き（ＡＤＲ）を申し立てた事案で、同センターが和解案を住民と東電の双方に12月20日に示しました。28日に弁護団の住民への説明会が同市内で行われました。

住民らは、指定された世帯と同じく1人につき月10万円の損害賠償を求めています。

弁護団の説明によると和解案は、東電に対し申立人に1人当たり月額７万円（２０１１年６月30日から２０１３年３月31日）の慰謝料を支払うことを求めています。その理由として①上小国など４地区は、原発事故以降一貫して伊達市内の他の地域に比べて明らかに放射線量が高線量の傾向にあること②申立人らは、特定避難勧奨地点に指定された居住者と同じように生活上の制限・制約を受けて損害が発生していることが認められる─と指摘しています。

和解案を受諾するかは来年１月31日までに回答することになっています。

弁護団は一律の賠償を勝ち取ったこと、避難した人も対象になることなどを評価しています。申し立てた住民らは受諾する場合、同意書を提出し、個別和解が成立することになります。