東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から7年がたった3月11日、首都圏反原発連合(反原連)は、「原発ゼロ」「福島・共に未来へ」を掲げ、国会正門前と首相官邸前で国会前大集会を開催しました。国会周辺には、右翼の妨害をはねのけて5000人(主催者発表)の列が広がり、「再稼働反対」「首相を代えて原発ゼロへ」のコールが響きました。
原発再稼働と福島切り捨てを進める安倍政権。これに対し、立憲民主党、日本共産党、自由党、社民党が「原発ゼロ基本法案」を共同で提出(9日)したばかり。主催者あいさつした反原連のミサオ・レッドウルフさんは、「安倍首相は、国民多数の声に耳を傾けようとしない。決意を新たに2018年を脱原発へのターニングポイントにしていこう」と呼びかけました。
「原発ゼロ基本法案」を共同提出した日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党に加え、民進党、希望の党の国会議員が登壇しました。日本共産党からは志位和夫委員長、藤野保史衆院議員、吉良よし子、山添拓の両参院議員が参加。「原発ゼロ基本法」の実現を訴える野党代表のスピーチに、参加者は大きな拍手と声援で応えました。
福島県から「いわき放射能市民測定室」事務局長の鈴木薫さんがスピーチ。「子どもたちの健康への不安が残ったままです。原発廃炉の見通しも立たない。原発事故はもうたくさんです。今後も福島の状況に心を寄せてほしい」と語りました。
埼玉県富士見市から参加した女性(69)は、「原発再稼働なんてとんでもない。野党が共同して法案を出した。野党共闘を進め、安倍政権を倒して原発をなくすために声をあげ続ける」と元気に語りました。
東京都で小児科医として働く女性(70)は、震災後すぐに避難所にかけつけて診療を始めました。「こんなに不完全で古いエネルギーはすぐにやめなければいけません。原発ゼロを実現するために安倍政権を倒したい」と話しました。
原発ゼロ基本法案 みんなの力で実現しよう
志位委員長があいさつ
「原発ゼロ☆国会前大集会」であいさつした志位委員長は、安倍政権が被災者切り捨て政治をすすめていると批判。「すべての方々の生活と生業(なりわい)の再建の日まで国と東電は責任を果たせと求めていこう」と呼びかけました。
野党4党で提出した「原発ゼロ基本法案」について、「国会史上初めて提出された画期的なものです」と強調。「6年間、原発ゼロ、再稼働反対を訴え続けてきた首都圏反原発連合のみなさんに心から敬意を申し上げたい」と述べ、「原発ゼロ基本法案は国民多数の声に立ったものだと確信しています。みんなの力で実現しよう」とよびかけました。
森友疑惑の文書改ざん問題について、「佐川氏(前国税庁長官)1人にすべての責任をかぶせて幕引きなんて絶対に許されない」と強調。「改ざんの経過と責任を徹底的に追及しよう。佐川さん、昭恵さんに国会に出てきてもらおう」と述べました。
「立法府に行政府がうそをついていたのでは議会制民主主義は成り立たない」と強調。「改ざんが事実であれば、麻生財務大臣が辞めるだけではすみません。安倍内閣に退陣してもらおうじゃありませんか」と呼びかけると、「そうだ」の声と大きな拍手がわき起こりました。
(「しんぶん赤旗」2018年3月12日より転載)