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福島第1作業員の傷病

 東京電力福島第1原発で先月、作業員の病院への緊急搬送が2件相次ぎました。東電の公表方法に違和感を覚えました。1人は蜂に刺され入院(後に退院)、もう1人は作業に向かう途中倒れ病院で死亡が確認されました。しかし、基準に従い報道機関への一斉メールが届いたのは、蜂に刺された作業員の負傷だけだったからです。

 ○…蜂に刺されたのは直接作業に起因しないものの作業中の出来事。一方で亡くなった作業員は、作業中ではなく死因も「個人の疾病」だったというのが東電の説明です。

 ○…事故直後は作業に起因しない場合も傷病者の発生を公表していましたが、2013年に定めた「通報基準・公表方法」を今年7月までに6回の改定を重ね、現在の基準になったといいます。年度ごとに公表される作業災害の対象も、作業起因の負傷のみ。原発内の救急医療室を経由し緊急搬送されても、個人の疾病だった場合、その人数さえ把握していないといいます。

 ○…仮に、体調不良を訴えた作業員が会社の車で病院へ搬送された場合、個人の疾病であれば一切公表されません。しかし、ここは一般企業と違います。いまだ収束していない事故現場で、廃炉という特殊な作業に従事する労働者の傷病の扱いがこれでいいのでしょうか。(唐)

(「しんぶん赤旗」2017年11月9日より転載)