東京電力福島第1原発から20キロ圏内の福島県田村市都路(みやこじ)地区で1月12日、国と市、地元住民の3者会合が開かれ、政府側が同地区に設定してある避難指示を4月に解除する意向を示しました。実現すれば旧警戒区域で初。参加したのは一部の住民で、18日に残りの住民とも話し合い、2月中に解除時期を示す予定です。
住民側によると、今回の会合には都路地区北部の住民25人、国と市から5人が出席。住民側が学校再開などに合わせ4月1日解除を要望したところ、「それに向け努力する」との回答があったといいます。
都路地区は昨年(2013年)、宅地などの除染が完了しましたが、子どもを抱える一部の住民らは国に対し、再除染の実施と明確な除染基準を策定するよう要望。国は除染効果に限度があるため、基準策定は困難との立場です。会合で政府側は「線量が高い地域に関しては市と国で相談」と述べるにとどまりました。今後、住民との合意点を探るとしています。
参加した都路地区行政区副区長の遠藤和夫さん(65)は「(放射線量が)高い所については必ず除染をするなど明確な答えがほしい」と政府側の回答に不満を募らせました。
都路地区の避難指示解除をめぐっては、昨年10月に開かれた意見交換会で、冨塚宥けい(ゆうけい)市長が「来春を目安に再検討したい」と言及していましたが、具体的な時期は示されていませんでした。