【ベルリン=伊藤寿庸】ベルギーのティアンジュ、ドール両原発の停止を求めて6月25日、同国とオランダ、ドイツの3力国を結び90キロに及ぶ「人間の鎖」行動が行われました。主催団体「ストップ・ティアンジュ」によると、5万人が参加しました。
人間の鎖は、ティアンジュ原発のあるベルギー東部のユイとリエージュ、オランダのマーストリヒト、ドイツのアーヘンを結びました。原発事故が起きた場合、周辺諸国まで深刻な被害が広がることを示すための象徴的行動です。
石畳の歴史的町並みから畑の中、川沿いの道まで、さまざまな風景の中を、親子連れ、車いすなど老若男女の参加者が一筋の鎖を形作りました。
両原発とも稼働開始から40年以上経過した原子炉があり、老朽化に伴うひびの発見や事故、火災、汚染水漏れなどが多発してきました。ベルギー政府は法律に基づいて2015年までに廃炉にするはずでしたが、25年までの稼働延長を認めました。
この日は、周辺諸国の反原発や環境保護の団体・政党が多数のバスも出して参加者を予定のルートに運んだほか、市街地では飛び入り参加も多くあったといいます。
ドイツのアーヘンは、周辺の100の自治体の賛同を得て、ベルギー国内でティアンジユ原発停止を求めて訴えを起こしています。この日も同市が行動を支援し、公式ツイッターを通じて行動の様子を伝えました。同市のあるノルトライン・ウェストファーレン州政府も行動に賛同し、次期州首相が参加しました。
(「しんぶん」赤旗2017年6月27日より転載)