東京電力福島第1原発事故で福島市が発注した除染事業の費用をめぐって、実施業者が同市松川町の山林を単価の高い「竹林」と偽って不正に請求していた問題で6月20日、福島市監査委員(高村一彦・代表監査委員)の会議が開かれ、熊坂修一・監査請求申立人(65)の代理人・馬奈木厳太郎弁護士が意見陳述しました。
熊坂さんは陳述書を提出。馬奈木弁護士が代読しました。
陳述書は「問題の除染事業は、業者側も竹林でないところを竹林と偽装したことを認め、水増しされた報酬を受け取っていることも認めています」「除染事業に用いられているのは公金の税金。支出すべきではない公金が支出されているのであれば、返還請求は当然。福島市が返還請求を行うよう勧告していただきたい」などとのべています。
福島市も意見陳述。偽装の現地調査や確定作業に時間か費やされたことをのべて、いまだに調査中であると弁明しました。
記者会見した馬奈木弁護士は「税金が不正に請求されたかどうかにとどまらず、被ばく回避措置と原状回復措置の中核の事業である除染事業が適正に実施されているのかどうかに関わる問題。単なる一業者の水増し請求の話にとどまらない。市にたいして返還請求を行うよう勧告する措置をとってほしい」と陳述しました。
(「しんぶん」赤旗2017年6月21日より転載)