関西電力は6月6日、福井県高浜町にある高浜原発3号機(87万キロワット)で核分裂反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を起動させました。再稼働反対の国民世論を無視した強行に、地元をはじめ各地で抗議行動が行われ、参加者は「危険なプルサーマル発電は無責任」「福島原発事故の原因究明も尽くされていない」などと訴えました。
全国で運転中の原発は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、高浜原発4号機と合わせ、3原発5基となりました。
しかし、事故が起きた時の住民の避難計画の実効性や、処分の見通しのない使用済み核燃料などの問題が未解決のままで、なし崩しの再稼働です。
高浜原発3、4号機については、大津地裁が昨年3月に運転差し止めの仮処分を決定し、運転中の3号機も停止。今年3月の大阪高裁が大津地裁の決定を取り消しました。3号機は1年3カ月間、停止していたことになります。
3号機の核燃料157体のうち、24体は使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料で、4号機と同様にMOX燃料を使うプルサーマル発電を実施。MOX燃料は原子炉の核分裂反応にブレーキをかける制御棒が利きにくくなることや、原子炉の冷却機能を失う事故が起きた時、炉心溶融の危険性がいっそう高くなるとされています。
(「しんぶん赤旗」2017年6月7日より転載)