日本地震学会や日本火山学会など地球や惑星について研究を行っている50の学会や協会の連合組織、日本地球惑星科学連合は20日、千葉市の幕張メッセで大会を開きました。月の探査や熊本地震などさまざまな分野の研究成果が報告され、多くの研究者が熱心に議論しました。大会は25日まで行われます。
「熊本地震から学ぶ活断層と地震防災」の会場では、名古屋大学の鈴木康弘教授が従来深さ3キロより浅いところでは強震動を引き起こさないとされてきたが、熊本地震の観測結果はこの前提に疑問を呈しているなど未解明の現象が明らかになったと指摘。今後の取り組みの必要性を訴えました。また、熊本地震は活断層評価のしかたにも問題があることを示したとして、検討の必要性を強調しました。
工学院大学の久田嘉章教授は、断層直上で建物被害が集中していると指摘したうえで、災害時に機能継続を要する重要建物は活断層帯を避けることが望ましいと述べるとともに、一般の建物では基礎や耐震壁、屋根を軽くすることなどで倒壊のような大被害に至る可能性を低減できると強調し、関係機関の取り組みを呼びかけました。
(「しんぶん赤旗」2017年5月21日より転載)