免震棟問題で報告・・新潟知事に東電社長
東京電カホールディングズが柏崎刈羽原発の事故対応拠点としていた免震重要棟の耐震性について誤った説明を続けていた問題で、広瀬直己社長は4月19日午前、新潟県庁で米山隆一知事に会い、原因や経緯、再発防止策を報告しました。同原発の再稼働に慎重な姿勢を取る米山知事は会談後、「極めて重要な部分で、(再稼働をめぐる議論に)影響を及ぼし得る」と記者団に指摘。免震重要棟に代わる新たな事故対応拠点について、県の検証委員会で独自に検証を行う考えを示しました。
会談は約15分間にわたり、記者団に公開して行われました。広瀬社長は会談後、「地元への説明が十分ではなかった。改善をしっかり行い、(再稼働へ向け)理解を得られるために努力する」と述べました。広瀬社長は同日、原発が立地する刈羽村の品田宏夫村長、柏崎市の桜井雅浩市長をそれぞれ訪問し、報告内容を説明しました。
(「しんぶん」赤旗2017年4月20日より転載)
猿橋賞に石原氏・・ニュートリノ天文学
「女性科学者に明るい未来をの会」は4月18日、第37回猿橋賞を千葉大准教授石原安野さん(42)に授与すると発表しました。南極点付近の米国基地に建設した巨大観測装置「アイスキューブ」で、宇宙から飛来した超高エネルギーの素粒子ニュートリノを2012年に世界で初めて検出し、「ニュートリノ天文学において顕著な業績を上げた」と評価されました。
超高エネルギーの二ュートリノは、エネルギーが最高レベルの宇宙線が他の物質と相互作用して発生します。しかし、この宇宙線の起源が謎とされ、千葉大などの国際グループが観測装置の規模を拡大して解明を目指しています。
石原さんは静岡県出身。キュリー夫人の伝記を読んで心を打たれ、東京理科大から米テキサス大大学院に進んで実験物理学の研究者になりました。受賞は「非常に光栄でうれしい」と話しました。
同会は気象庁で地球化学者として活躍した猿橋勝子博士(07年死去)が1980年に創設。猿橋賞は81年から毎年授与されています。
(「しんぶん」赤旗2017年4月20日より転載)