全日本民主医療機関連合会(藤末衛会長)は1月21日、参院議員会館で、「福島第1原発事故の被害者のいのちと人権を守る省庁交渉」を行いました。福島、宮城、埼玉、東京、愛知の民医連の会員らも参加しました。
長瀬文雄事務局長が「現地の思い、国民の思いをよく聞き、政策に反映させていただきたい。この場限りの態度でない、誠実な対応をお願いします」とあいさつしました。
この日の交渉は▽「収束宣言」撤回と県内の原発全10基廃炉▽原発作業員の待遇改善▽線量測定や除染など環境対策▽住環境改善▽住民の健康管理、生活支援▽医療・介護提供体制の確保▽損害の完全賠償―などを求めるもの。日本共産党の小池晃副委員長が同席し、「原発事故被災者、作業員の皆さんは非常に過酷な状況にあります。実態をよく聞いてお答えください」と語りました。
経済産業省と、県内の原発全基廃炉や全国の再稼働中止を求めて交渉しました。資源エネルギー庁の担当者が、廃炉は政府の方針や地元自治体の意向をふまえて判断していくと答えました。
福島県の参加者は「福島県議会と、59自治体のうち50以上が廃炉を決議している。住民の意向を聞くというなら廃炉しかない」と要求しました。
原発作業員の危険手当が中間業者の「中抜き」によって作業員のもとに届いていない問題について、東京電力に要請。東電は、作業員に支払われる賃金は雇用者と作業員の契約に基づくもので、作業員の個別の賃金について東電は取り組めていないと答えました。
いわき市の渡辺博之市議(日本共産党)は、割り増し手当を支払っていない元請け会社の事例を示し、「元請け会社の問題だというが、ちゃんと払わせるよう指導したらいい。まったくなっていない」と批判。東電側は「実態を把握したうえで改善につとめます。事例があれば、個別具体的に教えてください」と答えました。