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原発におびえぬ生活に・・福島生業訴訟結審 判決10月10日 & 高浜差し止め・・28日高裁判断

 東京電力福島第1原発事故による被災者約4000人が、国と東電に原状回復と慰謝料を求めた「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(中島孝原告団長)は3月21日、福島地裁(金澤秀樹裁判長)で原告、被告双方が最終弁論をして結審しました。判決は10月10日。

 佐藤智さん、橋本光子さん、服部浩幸さん、酪農家の女性原告4人が意見陳述しました。

 佐藤さんは当時妊娠中で出産予定は2ヵ月先の5月中旬。切迫早産で治療中で、避難したくてもできませんでした。出産後に避難。小学4年生になった娘は「家には放射能があるから(遊びには)行けない」と言われ、黙ってうつむくしかありませんでした。「娘たちはこんな境遇に置かれています。悔しい気持ちでいっぱいです」と訴えました。

 服部さんは「原発におびえずに生きることができるようになるまで訴え続けます。裁判所は、人類が犯した過ちを率直に認め、新たなる希望へと歩みを進めることができるよう後押しをしてほしい。勇気と正義に則した判決が下されることを切に願います」と陳述。

 原告代理人は①津波が原発の敷地高さを超えて屋内に浸入するおそれがあることを予見しえたか②予見に基づいて結果を回避しえたか③国は規制権限を有し、適時適切に行使したか④原状回復し、中間指針などを超える賠償が必要か―などについて最終陳述を行いました。

 裁判開始前に集会とデモ行進、公正な判決を求める署名4万8000人分を提出しました。集会では、俳優の宝田明さんが記念講演しました。

(「しんぶん」赤旗2017年3月22日より転載)


高浜差し止め・・28日高裁判断

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定に対する保全抗告審で、大阪高裁(山下郁夫裁判長)が3月28日に決定を出すことが分かりました。住民側の代理人弁護士が21日、明らかにしました。

 高浜3、4号機は昨年1、2月に再稼働しましたが、大津地裁は3月、「安全性の確保について関電は説明を尽くしていない」として運転を差し止める仮処分決定を出し、停止しています。同地裁は7月に関電の保全異議を退けました。関電の保全抗告を受けた大阪高裁は10月の審尋で、12月までに主張を終えるよう双方に求めていました。

(「しんぶん」赤旗2017年3月22日より転載)