日本共産党の山添拓議員は2月15日、参院資源エネルギー調査会で、福島原発事故をもたらした津波について、国は予想可能だったとして、その責任をただしました。
政府の地震調査研究推進本部は2002年、「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(「長期評価」)を発表し、マグニチュード8クラスの津波地震が福島沖でも発生しうることを公的見解として予想しています。しかし、東京電力は、土木学会の「津波評価技術」を採用して津波推計を行うだけで、「長期評価」が示した知見は切り捨てました。
山添氏は、土木学会・津波評価部会は委員・幹事30人中13人が電力会社側、事務局も原子力事業者が占めることなどを指摘。しかも、「津波評価技術」の考え方は、これまでに起こった最大の地震津波を考慮すればよいというものにすぎないとして、「なぜ国は、公的見解である『長期評価』に基づき(津波の)推計をさせなかったのか」と迫りました。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「詳細には知らない」などと追及から逃げようとしました。
山添氏は、防災に関係する7省庁がまとめた手引では、一般的な防災対策として「想定しうる最大規模の地震津波」を考慮すべきだとしていることを示し、「長期評価」で推計すれば、津波襲来を予見し、対策はとれたはずだと重ねて追及。田中委員長は「事故が起こっているわけだから、深刻に反省すべきだ。過去の規制が不十分だったことを否定するつもりはない」と認めました。
(「しんぶん赤旗」2017年2月16日より転載)