新潟県に立地する東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)をめぐり、同県の米山隆一知事は2月6日までに、東電と県、柏崎市、刈羽村が結んでいる安全協定の見直しを検討する意向を明らかにしました。時事通信のインタビューに対し、「自分の役割は県民の安全確保だ。(原発事故の)リスクを検証した上で整理したい」と述べました。
米山氏は、現在の協定について「(東電福島第1原発事故前の)原発安全神話に依拠した漠然としたものだ」と指摘。「ベースとなるリスクをきちんと見た上で直すべきだ」と語りました。見直しに当たっては、県が取り組んでいる福島事故の検証結果を踏まえるとしました。
検証作業は、泉田裕彦前知事時代に着手。米山氏は事故原因に加え、当時の避難方法や、住民の健康と生活に与えた影響も検証する方針で、作業には3~4年かかるとしています。
検証作業への東電の協力姿勢については、「こちらの問い掛けにきちんと返答があることが重要だ」と強調。「こちらが打ったボールを投げ返しており、少なくとも悪いと言うつもりはない」と一定の評価を示しました。
協定は東電が県や柏崎市、刈羽村に対し、原発の状況について情報提供したり、事故発生に伴う損害を賠償したりすることなどを定めています。ただ、福島事故前の2007年に見直されたのが最後となっています。
柏崎刈羽原発に関し、東電は13年9月に6、7号機の再稼働を申請。これを受け、国の原子力規制委員会が安全審査を進めています。ただ、再稼働するためには安全協定に基づき、県と柏崎市、刈羽村の同意が必要となります。
柏崎市の桜井雅浩市長は安全対策の確保を前提に容認、刈羽村の品田宏夫村長は規制委の審査に合格すれば認める立場。一方、米山氏は福島事故の徹底的な検証を経なければ認められないとして、昨年10月の就任以来、現状では再稼働は認められないとの立場を堅持しています。
(「しんぶん」赤旗2017年2月7日より転載)