東京電力福島第1原発事故による農林業損害賠償の来年1月以後分をめぐり、県内各団体を網羅した福島県原子力損害対策協議会(損対協、会長=内堀雅雄知事、206団体)の全休会が12月24日、福島市で開かれました。
東電の広瀬直己社長、高木陽介経済産業副大臣らが出席。内堀会長が「被害の実態を踏まえ農林業者や関係団体の声を聞き、事業を早期に再建できるよう的確な賠償をしてほしい」とあいさつしました。
東電が見直し後の損害賠償案について、避難指示区域内・出荷制限は、▽年間逸失利益の3倍相当額を賠償▽3年後より先は原発事故と相当因果関係のある損害が「3倍相当額」を超過した場合に適切に支払うと説明。避難指示区域外については来年1年間を目途として現行風評賠償を継続すると述べました。
馬場有(たもつ)浪江町長は「農地保全に努力しているが農業施設復旧は約1割が着手された状況で、営農再開までには相当期間を要する。3年後以降は実態を踏まえた賠償を強く求める」と発言。県商工会連合会の轡田倉治(くつわた・くらじ)会長は「商工業者は、提示された2倍額を受け取ったのは20~30%にすぎなかった。農林業損害もそうならないか心配だ」と指摘しました。県商工団体連合会(県民商)の斎藤朝興福島民商会長も「1年分払って終わりとならないか。本当に賠償するつもりがあるのか」と迫りました。
(「しんぶん」赤旗2016年12月24日より転載)