日本共産党の高橋千鶴子議員は12月8日の衆院震災復興特別委員会で、東京電力による福島第1原発の廃炉作業で相次ぐ人為ミスは、「過酷事故につながりかねないものだ」と指摘し、「廃炉、事故収束作業への人員の集中が必要だ」と求めました。
高橋氏は、4、5両日に立て続けに起こった同原発の人為的ミスによるトラブルについて、東電による再発防止策をただしました。
東電の山口博副社長は相次ぐトラブルに謝罪を表明。「社員への教育訓練や施設改善を行うことで徹底した対策をとる」と表明しました。
高橋氏は、福島第1・第2両原発の設備工事で、計画や変更を届け出ない法令違反が続いたことについて、「法令に熟達する人が圧倒的に少ないのではないか」と迫りました。
また、労基署の監督指導結果(2015年分)で、違反率が依然、廃炉作業で54%、除染作業で64・6%に達し、違反事業者の実数では増えていることを示し、人為ミスの背景に、「作業の細分化や下請け構造の多重化があるのではないか」とただしました。
さらに高橋氏は、賠償業務の社員が11年の3400人から15年の2400人へ3割減となる一方で、派遣・委託は6800人にものぼることを指摘。東電による人員合理化、派遣・委託への置き換えなどが廃炉、賠償事業に影響を与えているのではないかと追及しました。
山口氏は、「(人員合理化による)現場への影響はない」と強弁。高橋氏は「安全対策も信頼回復も決め手は人だ。第2原発の廃炉を決断し、柏崎刈羽原発の再稼働を断念して、習熟した人員を廃炉、事故収束に集中せよ」と求めました。
(「しんぶん赤旗」2016年12月14日より転載)