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経産省 原発廃炉に国民負担・・初会合 新電力に上乗せ検討

 経済産業省は9月27日、東京電力福島第1原発の廃炉費用、一般の原発廃炉費用などについて、すべての国民に負担を求める仕組みの検討を始める有識者会合「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の初会合を開きました。10月には、「東京電力改革・1F問題委員会」が発足し、東電の経営改革や廃炉費用に関する検討が始まり、政策小委と合わせて議論を進めるといいます。

 原発の廃炉費用は原発を保有する大手電力会社が電気料金で負担するのが原則。同会議は、4月に始まった電力小売り全面自由化で参入した、原発に頼らずに電力を調達する「新電力」も、大手電力会社の送電網を使う時に支払う「託送料金」に上乗せして廃炉費用を回収する制度を議論します。使用する電力にかかわらず国民が廃炉費用を強いられ、原発を保有する大手電力会社を救済、優遇することになります。

 同会議はこのほか、原発や、二酸化炭素を大量に排出する石炭火力で発電した電気を新電力が市場で調達する仕組みの創設や、送電網の利用ルールの見直し、原発など「非化石電源」としての価値を取引する市場の創設なども検討。電力改革委の下に「財務会計」と「市場整備」の二つの作業部会を設けて議論し、年内に報告書を取りまとめるとしています。

 同会議のメンバーは企業経営者や大学教授ら14人。

(「しんぶん」赤旗2106年9月28日より転載)