東京電力福島第1原発の1、2号機排気筒の底部にあるドレンサンプピット(雨水集水槽)のたまり水から、国の放出基準(告示濃度限度)の約58万倍の濃度のセシウム137が検出されたことが9月16日までに明らかになりました。同集水槽は、排水路を通じ放射性物質が海へ流出している汚染源の1つとして指摘されていたため、8月から調査していました。
東電によると、12日に採取した水からセシウム137が1リットル当たり5200万ベクレル、セシウム134が同830万ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同6000万ベクレル検出されました。
同集水槽には高濃度の汚染水0・6トンがたまっていることが分かっており、東電は14日に0・3トンを2号機廃棄物処理建屋へ移送しました。
1〜4号機の建屋周辺を流れる「K排水路」は大雨の時などに、高濃度の放射性物質が検出されています。その原因の1つとして、同排気筒に流入した雨水が集水槽から溢水(いっすい)、流出している可能性が指摘されていました。しかし、排気筒の両辺は高線量のため、調査が進んでいませんでした。
(「しんぶん赤旗」2016年9月17日より転載)