【ロンドン=時事】
英政府は9月15日、中国企業が一部出資する英南西部ヒンクリー・ポイント原発の建設計画を了承すると発表しました。7月に発足したメイ新政権は、最終承認を突如保留。中国の関与に対する安全保障上の懸念があったとされますが、英中外交関係が悪化する恐れがあり、予定通り計画を認めざるを得ないと判断したようです。
英国で約20年ぶりとなる原発建設計画の総事業費は約180億ポンド(約2兆4000億円)。フランス電力公社(EDF)が主導し、中国企業が3割強を出資します。親中派のキャメロン前首相が中国の関与を容認し、両国の蜜月を象徴する重要プロジェクトと見られてきました。
一方で、メイ氏は、前政権との違いを打ち出す狙いで、契約前日になって計画に「待った」をかけました。
しかし仏中は猛反発し、特に中国では対英投資の縮小や引き揚げを示唆するなど、批判が噴出。欧州連合(EU)離脱後の自由貿易協定(FTA)交渉への影響も不安視されていました。
(「しんぶん赤旗」2016年9月17日より転載)