運転中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)など国内の8原発13基で、フランスの規制当局が原発の重要機器で強度不足の恐れを指摘している「日本鋳鍛鋼(ちゅうたんこう)」が製造した原子炉圧力容器が使われていることが明らかになりました。九電など原子力事業者11社が9月2日、原子力規制委員会に報告しました。
報告によれば、日本鋳鍛鋼が製造した圧力容器を使用していたのは、川内原発以外に東京電力福島第2原発2、4号機、北陸電力志賀原発1号機、関西電力高浜原発2号機、同大飯原発1、2号機、四国電力伊方原発2号機、九州電力玄海原発2、3、4号機、日本原子力発電敦賀原発2号機。
この問題は、フランス原子力安全局が、同国内で運転中の18基の原発で使われているフランスのクレゾ・フォルジュ社製と日本鋳鍛鋼製の重要機器について強度不足の恐れがあると6月に発表、調査を継続しています。これを受けて規制委は先月、原発事業者に対して圧力容器などの重要機器の製造方法と製造メーカーを報告するよう指示していました。
今回の調査では、フランスで強度不足の恐れが指摘された重要機器と同様の製造方法(鍛造=たんぞう)が、国内すべての原発の圧力容器の製造で利用されていることも分かりました。規制委は、鍛造で製造された機器の強度に関して評価し10月末までに報告するよう求めています。
(「しんぶん赤旗」2016年9月4日より転載)