日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)原子炉直下の断層が「活断層ではないと判断する」とした原子力規制委員会の専門家チームの評価書案について、チームに参加していない他の専門家と意見を交わす会合が8月25日、開かれました。
他の専門家から「一つの断層だけを取り上げて評価しているが、十分なのか」との疑問や、検討が十分でなく「根拠が弱い」などと指摘されました。
活断層ではないとする結論は変えないものの、指摘された点などを今後の課題として追加するなどの修正をした上で、規制委に報告されます。
「もんじゅ」の建屋直下には8本の断層があります。敷地の西約500メートルには長さ約15キロの活断層「白木(しらき)—丹生(にゅう)断層」が南北に走っており、敷地内の断層と一緒に動く可能性や、敷地南東方向にある線状地形がどこまで延長しているかが焦点になっていました。
先月出された評価書案では、原子炉直下にある断層のうち、最も長い「a破砕帯」(断層)の延長部とみられる断層を評価。活動したのは約1900万年前と想定され、「少なくとも後期更新世(12万〜13万年前)以降には活動していない」と判断しました。
敷地南東方向の線状地形は、断層ではなく「浸食地形の可能性が高い」としました。白木—丹生断層による活動の影響は海域の調査で200〜300メートル東側に及ぶものの、「もんじゅ」の敷地内に及んだ「証拠は認められない」としました。
1万点近くの機器点検漏れが発覚し、その後も違反行為が続いた「もんじゅ」は、規制委が文部科学相に対し、原子力機構に代わる新たな運営主体を示すよう勧告しています。
(「しんぶん赤旗」2016年8月26日より転載)