四国電力が8月12日に再稼働させようとしている伊方原発3号機(愛媛県伊方町)をめぐって、伊方原発をとめる会は9日、愛媛県と四電に再稼働を中止するよう申し入れました。
提出した申し入れ書は、▽前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏が「過小評価」と指摘した基準地震動の見直しが不可欠▽原子炉容器上蓋(うわぶた)の取り換え、1次冷却水ポンプの耐震安全の再検討をしていない▽住民避難計画は机上の空論であり、住民を守れるものになっていない―として「再稼働は断じて許されない」と指摘しています。
応対した県の菅原洋行・原子力安全対策推進監は「最終的な判断は原子力規制委員会であり、私たちは規制をつくる立場ではない」などと述べ、再稼働を容認しました。
とめる会の草薙順一事務局長は「県として独自の立場で検討しなければ、県民の命と暮らしを守ることはできない」と述べ、規制委員会と四電まかせの姿勢を批判しました。
四電原子力本部への申し入れでは、広報の担当者が門前で「伊方原発の基準地震動を見直す考えはない」と回答。とめる会の和田宰事務局次長は「事故が起これば取り返しがつかない事態になる。稼働させずに再検討すべきだ」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年8月10日より転載)