関西電力大飯原発(福井県)の基準地震動(考慮される地震の最大の揺れ)をめぐり、審査で用いられた予測式では過小評価の可能性があると指摘している前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は7月19日、規制委の田中俊一委員長らと面談しました。
島崎氏は、規制委が再計算した結果、過小評価が裏づけられたと述べ、過小評価になる予測式を使わないよう求めました。
これに対し、田中委員長は規制委の再計算について「できないことをやってしまった」などと述べ、自らの再計算結果は信頼性が低いことを強調し、従来の想定を見直す必要がないとしました。
島崎氏は先月16日、田中委員長らと面談。大飯原発などで震源の大きさを推定する際に用いられた予測式「入倉・三宅式」が、垂直や垂直に近い断層面に適用する場合、過小評価になると指摘し、異なる予測式での再計算を提案しました。
規制委は今月13日、島崎氏の指摘を受け、審査で用いられている予測式とは異なる予測式による再計算結果を公表し、審査で了承された基準地震動を下回ったとして、想定を見直す必要がないと結論づけました。
しかし、島崎氏は15日に記者会見し、規制委の再計算結果について、関電が設定した同じ条件で比較していないなど「納得していない。おかしい」と指摘。「現在の基準地震動が過小評価されているのは間違いない」と主張していました。
(「しんぶん赤旗」2016年7月20日より転載)