東京電力福島第1原発事故の被害の実態と被災者のたたかいをえがいた『原発ゼロへ 福島に生きる』(しんぶん赤旗社会部著、新日本出版社)が、韓国で翻訳され出版されました。
韓国語版のタイトルは『福島に生きる 原発ゼロをめざす人々』。訳者でジャーナリストの洪相鉉(ホン・サンヒョン)さんは、後書きで、「1928年の創刊以来、いつのまにか『特定政党の機関紙』を超えて130万の読者に愛される『日本最古・最大の進歩的メディア』に成長しているしんぶん赤旗が、日本原発の『安全神話』を崩壊させた福島原発事故で、まだその衝撃を抑える暇(いとま)もなく報道戦争に追われた住民の傷をくみとるという趣旨ではじめた企画をまとめたもの」と紹介。
さらに、「韓国の読者はさまざまな福島住民の話を聞きながら、2011年3月11日当時の状況から放射能汚染、避難生活の苦痛、そして原発事故以前の日常に復帰しようとする動きなどが生々しいルポルタージュに盛り込まれた『原発事故の年代記』に会える」としています。
登場する人物の大部分が日本政府に原状回復と事故の原因となった原発をなくすこと、被害者の救済を求めていることに注目。本書が単なる原発事故の年代記でなく、韓国の読者に、「災害を予防し、その危険から国民を保護」しなければならない「国家の責任」について考えさせられる本として位置づけられると指摘しています。
「福島に生きる」シリーズは、本紙で掲載が続いています。
(「しんぶん赤旗」2015年12月31日より転載)