東京電力は12月28日、福島第1原発2号機の原子炉建屋内にキツネが侵入したことを明らかにしました。21日、除染作業のために建屋内を写すカメラを見ていた作業員が発見したもので、キツネは7〜8分後にカメラの視界から姿を消しました。
同原発では2013年3月、仮設の配電盤設備にネズミが入り込んだことが原因で停電し、使用済み核燃料プールの冷却が最長で29時間停止したトラブルがありましたが、原子炉建屋内に動物が侵入したのが確認されたのは初めて。今回、キツネによるトラブルは今のところ確認されていません。
東電によると、現場は、原子炉建屋から格納容器への配管貫通部に近く、高い放射線量で人間が近づくのは困難な場所。周辺の小部屋では高いところで1時間当たり9・4シーベルトという高線量が計測されています。
津波や事故で壊れた場所や扉のすき間などから侵入した可能性が考えられますが、東電は、侵入経路はわからないとしています。
東電は、侵入したキツネを継続的に監視しておらず、その後の行方は不明。ただ、敷地境界にはフェンスがあるため、同原発の外に出た可能性は低いと説明しています。事故前には敷地内でタヌキやネコが見つかったことがあったといいます。
(「しんぶん赤旗」2015年12月30日より転載)