大量の機器点検漏れが見つかり運転へ向けた活動が止められている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、機器の不具合や故障が発生した場合の管理に使う「保修票」などの報告書約800件(票帳約2300枚)が保管もされず未処理だったことが明らかになりました。
8月5日の原子力規制委員会の定例会合で報告されました。規制庁によれば、保安規定違反は、2012年に発覚した大量の機器点検漏れ以降7件目です。
報告は原子力規制庁が全国の原発を対象にした保安検査の結果。もんじゅでは6月に検査を実施したところ、保修票などの未処理が見つかり、「品質マネジメントが適切に機能していなかった」として、保安規定「違反」と認定されました。
また、10年間の保管が義務づけられているナトリウム温度の記録紙の一部が紛失していたことも判明。「違反」より低いレベルの「監視」と認定されました。
一方、中国電力島根原発(松江市)では、原発から発生する低レベル放射性廃棄物を固める際に使用する水流計などの検査をしていなかったのに、「過去の記録の写しを用い実施したかのように記録を作成」していました。偽造は他社の監査で発覚したもの。これは「監視」とされましたが、原子力規制委員から「軽くみることができない」「ねつ造、あってはならない」と指摘されました。
九州電力川内原発でも、2件が「監視」と認定されました。
(「しんぶん赤旗」2015年8月6日より転載)