東京電力福島第1原発で3号機タービン建屋へ移送中の高濃度汚染水が漏えいし、港湾内の海水の放射性物質濃度が上昇した問題で、東電は6月8日、移送に使ったポリ塩化ビニール製のホースが許容値を超えて曲がっていたと原子力規制委員会に報告しました。ホースを曲げすぎて使用したために穴が開き、漏えいにつながった可能性があるといいます。
東電によると、このホースは曲げて使う際の許容値が半径約750ミリ以上で、満たさないと寿命が短くなります。漏えい後に現場で確認されたときの半径は200〜300ミリでした。
ホースは2013年10月に敷設。漏えいの危険を認識されていたのに定期的な点検も行われていませんでした。許容値を満たさない使い方が施行当初からかどうかは不明です。
移送中に漏えいした高濃度汚染水には、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり110万ベクレル含まれ、過去に漏えいした地下貯水槽にたまった高濃度汚染水が混じっていました。
東電は、複数の地下貯水槽に、ベータ線を出す放射性物質が同数百万ベクレル含まれている汚染水が合わせて約1000トン残っていることも明らかにしました。
(「しんぶん赤旗」2015年6月10日より転載)