九州電力川内(せんだい)原発が立地している鹿児島県薩摩川内市で「さよなら原発いのちの会」が行った市民アンケートに1133通の回答が寄せられ、85%が川内原発の再稼働に反対していることが分かりました。安倍内閣が全国に先駆けて再稼働を狙う川内原発の地元でも、反対の声が多数であることが示されました。
アンケートでは、「福島第1原発のような事故が川内原発でも起こると思うか」との問いに、「起こる」「起こるかもしれない」と回答した人が合わせて89%にのぼりました。
「福島のように何かあってからでは遅い」(40代女性)「事故が起こったとき、避難できそうにない。福島原発で事故が起こったのに、再稼働させる意味がわからない」(30代女性)など、福島原発事故を直視し、真剣に向き合う姿が浮き彫りになりました。
「原発頼みのまちづくりで市の発展があると思うか」との問いに、「発展しない」と答えた人は68%を占めました。「原発があれば街が栄えるはウソだった」(60代女性)「原発に頼りすぎて、まちはシャッター通りになった。原発を廃炉にして、自然エネルギーの活気ある川内づくりに力を入れてほしい」(40代女性)との声も。
再稼働に反対する同会の活動について、「子ども3人の未来のためにありがたいと思っています。頑張ってください」(40代女性)など、市民の期待と信頼が広がっていることも明らかになりました。
市民の本音示す
「さよなら原発いのちの会」代表 堀切時子さん(66)の話
アンケートは、今まで原発の問題に態度を示すことができなかった市民の本音を示すもので、取り組みの宝です。
市長は「市民は再稼働を求めている」と言いますが、このアンケートで、市民の多数が再稼働に納得していないことが明らかになりました。私たちの運動への信頼も強く感じます。
原子力規制委員会の審査書案の提示を受け、政府、九電、県、市は再稼働への動きをさらに強めています。まさに正念場です。アンケートを力に、みんなの知恵を集め、宣伝・対話をさらに広げて、なにがなんでも再稼働を止めます。
(「しんぶん赤旗」2014年7月27日より転載)