経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の電力需給検証小委員会(委員長・柏木孝夫東工大特命教授)は4月17日、全国における今夏の電力需給について、唯一稼働中の関西電力大飯原発3、4号機を止めても、安定供給が可能であるとの試算を示しました。
試算は、国内の原発稼働が「ゼロ」の場合、沖縄電力を除く9電力で、供給の余力を示す予備率は4・9%確保できると指摘。安定供給に最低限必要とされる3%を上回りました。
関電管内の予備率は、大飯3、4号機の停止により、1・0%へ低下。しかし、周辺の4電力(北陸、中部、中国、四国)はいずれも5%の予備率があり、関電はさらなる融通を受けることで、予備率引き上げが可能です。需給状況が厳しい関電と九州電力を除く7電力は、「計画外の電源脱落等」に備えるとして、5%以上の予備率が確保されています。
大飯3、4号機は昨年、政府が「電力不足」などを口実に再稼働を強行しました。
また、電力需給検証小委員会は同日、今夏の需給対策などを示した報告書案を公表。火力発電の「計画外停止」などに対応するため、「電力融通を広域的かつ機動的に行うための方策」などが必要だと指摘しました。対策は、来週の会合での検証小委による報告書案取りまとめを受け、政府が決定します。節電の数値目標の設定は見送る見通しです。