日本共産党の志位和夫委員長が二日、衆院本会議でおこなった代表質問(災害部分の大要と首相答弁)は次の通りです。
新潟・福島・福井の豪雨災害――国の姿勢が問われている
日本共産党を代表して、小泉首相に質問いたします。
まず新潟・福島・福井を襲った豪雨災害と、台風10号による被害についてであります。私は、犠牲となられた方々に深い哀悼の気持ちをのべるとともに、多くの被災者のみなさんに、心からのお見舞いを申し上げるものであります。
日本共産党は、ただちに対策本部を設置し、地元のみなさんと連携して、救援と復興にとりくんでまいりました。現地の実態はきわめて深刻であります。全壊・半壊した住宅が三百棟をこえるだけでなく、一万数千をこえる住宅が床上浸水で、泥に埋まってしまうという状況となりました。全国でも有名な地場産業、中小企業の工場も泥に埋まり、水田もいたるところ泥をかぶり大被害をうけました。水害の被害をうけたニット関係業者が自殺するという痛ましい事態もおこっています。
自然災害のすべてをなくすことはできませんが、災害から国民の命をまもること、被災者の生活と営業を復興すること――これは政治の力でできることであり、国の重大な責任であります。私は、政府がそのために全力をつくすことを、つよく求めるものです。
同時に、被災された方々の切実な願いにこたえて、国がその責任をしっかりとはたすためには、現行法を最大限に活用することはもちろんですが、「自然災害による個人財産の被害は補償しない」としてきた従来の政府の姿勢を転換し、住宅や町工場の修繕・建て替えへの直接の公的支援にふみだすべきだと考えます。首相の答弁を求めます。
志位委員長への首相答弁
衆院本会議(二日)での日本共産党の志位和夫委員長にたいする小泉首相の答弁(災害部分に対する答弁の要旨)は次のとおりです。
【災害対策について】防災は国民の生命、身体、財産の安全に直接かかわる行政の基本的責任の一つであって、政府、地方自治体、地域、ボランティア団体などが一体となって、防災対策をいっそう推進してまいりたいと考える。
【自然災害の被害の補償について】先の通常国会の被災者生活再建支援法の改正によって、住宅の再建等を支援する居住安定支援制度を創設し、解体撤去費やローン利子など、被災者が住宅を再建、補修する際に現実に負担する経費を幅広く支援の対象とした。この制度を活用した被災者の生活再建支援に、最大限努力してまいる。
なお個人の住宅本体にたいする公費での支援についてはさまざまな議論があり、今後さらに議論を深めていく必要があると考えている。