１日３００トンもの放射能汚染水が海洋に流出する福島第１原発の非常事態に、首相官邸前では「海を汚すな」「原発再稼働やめろ」と怒りの声があがりました。8月9日おこなわれた首都圏反原発連合（反原連）の官邸前抗議行動。無反省に再稼働を進める安倍晋三内閣に、３０００人（主催者発表）の参加者は、抗議の声をつきつけました。

セミが鳴く首相官邸前。女性が「再稼働に労力を投じるのではなく、全力で汚染水問題の解決に取り組むべきです」と訴えると、「そうだ！」と声があがります。「このままでいいのか汚染水」「毒をながす原発なくせ」などと書いたプラカードも。

さいたま市から参加した男性（４８）は「どこが収束なのか。再稼働はやめ、原発はなくすべきだ」といいます。

東京都墨田区の男性（３２）は「汚染水漏れも掌握できなかった電力会社が安全に原発を使いこなせるはずがない」。

日本共産党の宮本岳志衆院議員、紙智子、吉良よし子両参院議員が参加し、スピーチしました。

原発ゼロ 声響かせ・・官邸前行動　各地で呼応

8月9日、原発再稼働を進める政府に対し、全国各地で抗議行動がとりくまれました。

岡山

岡山市では、原発ゼロをめざすイレブンアクション岡山実行委員会が、北区の中国電力岡山支店周辺で51回目のデモ行進をしました。

伊原潔専務局長は、福島第1原発で放射能汚染水が1日300トン海に流出し続けていることを指摘し、「政府が地下水を海に放出するとまた言いだして、漁民が反発しています」と報告しました。

参加者は「♪原発危険だ　なくしましょう　島根の原発動かすな　伊方の原発動かな」と歌ってアピールしました。

秋田

秋田県の「さよなら原発県民アクション」は、秋田市中通の仲小路などで50回目のデモ行進をし、「原発再稼働はゆるさない」「原発輸出とんでもない」などと唱和しました。

54人が参加しました。出発前に、「職場の若い世代にも（行動参加を）広げたい」などの発言がありました。

この日、記録的な大雨に見舞われた大館市では、「原発ゼロを求める金曜日大館行動」が行われ、水害の後片付けに追われる中、8人が参加しました。「大間やめろ」「女川、東通、廃炉」などと声を合わせました。

愛知

名古屋市の関電東海支社前に集まった市民らは、「言い続けるぞ、なくなるまでは！」「命が大事、金より大事！」と、原発の再稼働へ抗議の声を響かせました。

春日井市のセラピスト・おどりまゆみさん（46）は、「輸出なんかより他にやることがあるだろうし、活断層があるのに再稼働はもってのほか。世界の主流は原発から離れていくことなのに、政府の判断はあまりに情けないと思います」と語りました。

岐阜

岐阜市のJR岐阜駅前で原発ゼロを求める行動が行われました。

参加した人たちは通行人にティッシュの配布や「原発即時ゼロの声を署名に託してください」と呼びかけました。

署名に応じた女性（22）は「日本がこのまま悪い方向に進んでほしくない。命には変えられない。ネットをよく見るけど、電力は足りているとよく言われているのにどうして原発を続けるのか」と語りました。

4人組の女子高校1年生は「安全とは言い切れない」「信じきれない」と言い、署名しました。